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移行

勤怠システムを入れ替えるとき、過去データと締め日をどうするか

公開 2026-07-27 · 勤怠管理

勤怠システムの入れ替えで問題になるのは、たいてい新しい製品の機能ではありません。切り替えの日と、前のシステムに残した記録です。この2つを先に決めておけば、あとは通常の導入作業になります。

切り替える日を決める

いつ切り替えるか締め日はいつですか? → はい: 締め日の翌日が切り替え日です。この日以外にすると、その月の集計が2つに分かれます。年次有給休暇の残日数を管理していますか? → はい: 移行時点の残日数を手元に控えてください。ここがずれると従業員から必ず指摘されます。変形労働時間制を使っていますか? → はい: 対象期間の途中で切り替えないでください。期間の区切りに合わせます。給与計算と連携していますか? → はい: 給与側の受け取り方法が変わります。給与の担当者と切り替え日を共有してください。いずれにも当てはまらない場合: 月末締めで特別な制度がないなら、翌月1日からの切り替えが素直ですいつ切り替えるか締め日はいつですか?はい締め日の翌日が切り替え日です。この日以外にすると、その月の集計が2つに分かれますいいえ年次有給休暇の残日数を管理していますか?はい移行時点の残日数を手元に控えてください。ここがずれると従業員から必ず指摘されますいいえ変形労働時間制を使っていますか?はい対象期間の途中で切り替えないでください。期間の区切りに合わせますいいえ給与計算と連携していますか?はい給与側の受け取り方法が変わります。給与の担当者と切り替え日を共有してくださいいいえ月末締めで特別な制度がないなら、翌月1日からの切り替えが素直です

製品を選ぶより先に、切り替え日を決めてください。日付が決まると、準備に使える期間と、並走させるかどうかが自動的に決まります。

締め日の途中で切り替えない

月の途中で切り替えると、その締め期間の労働時間が2つのシステムに分かれます。合算は手作業になり、残業時間の判定もどちらか一方だけでは正しく出せません。締め日の翌日から新しいほうに切り替えれば、この作業はまるごと不要になります。

急いで切り替えなければならない事情があるとしても、締め日をまたぐ切り替えで増える手間のほうが大きいのが普通です。あと数週間待てるなら待ってください。

前のシステムから持ち出すもの

解約する前にやること1. 打刻記録を書き出す(画面で見られる状態と、手元のファイルとして持つ状態は違います)。2. 月次の集計結果を書き出す(確定した各月の労働時間。あとで問い合わせを受けたときの根拠になります)。3. 有給の残日数を控える(従業員ごとに。新しい側の初期値として入れ直します)。4. 承認済みの申請の記録を残す(残業や休暇の申請と承認の履歴。運用の証跡です)。5. 従業員名簿と権限の設定を控える(誰が誰の勤怠を見られるか。設定し直しになります)解約する前にやること1打刻記録を書き出す画面で見られる状態と、手元のファイルとして持つ状態は違います2月次の集計結果を書き出す確定した各月の労働時間。あとで問い合わせを受けたときの根拠になります3有給の残日数を控える従業員ごとに。新しい側の初期値として入れ直します4承認済みの申請の記録を残す残業や休暇の申請と承認の履歴。運用の証跡です5従業員名簿と権限の設定を控える誰が誰の勤怠を見られるか。設定し直しになります

解約したあとで「あの月の記録を見たい」となることがあります。労働時間の記録には法令で保存が求められる期間があり、その責任は会社側にあります。サービスを解約しても義務は消えません。

書き出したファイルは開いて確認する

書き出しただけで安心しないでください。実際に開いて、必要な列が入っているかを見てください。人ごと・日ごとの記録が読める形になっていなければ、根拠として使えません。

有給の残日数は必ずずれる前提で扱う

移行でいちばん指摘を受けるのがここです。従業員は自分の残日数を覚えています。新しいシステムに入れ直した値が違っていれば、その日のうちに指摘が来ます。

移行の時点で全員分の残日数を控え、切り替え後に一致しているかを確認してください。あわせて、次の付与日がいつかも確認します。付与のタイミングを間違えると、翌年まで気づかないことがあります。

設定を移すときに見落とすところ

打刻の記録に目が行きがちですが、実際に手を取られるのは設定の作り直しです。所定の労働時間、休憩の自動控除、締め日、端数の扱い、割増の条件。これらは前のシステムの中に、長い時間をかけて積み上がっています。

やっかいなのは、その設定を入れた本人がもういないことが多い点です。なぜその設定になっているのか誰も説明できないまま、動いているから触っていない、という状態がよくあります。移行のときは、この「理由の分からない設定」を一つずつ確認することになります。

確認の基準は就業規則です。規則に書いてあることと違う設定が見つかったら、どちらが正しいかを決めてから新しい側に入れてください。前と同じにするだけでは、間違いをそのまま持ち込むことになります。

誰が作業するかを決める

入れ替えの作業は、日々の勤怠の締めと並行して発生します。担当者が一人しかいない会社では、通常の業務が止まるか、移行が止まるかのどちらかになります。

現実的なのは、設定の作り込みを締めの週から外すことです。締めの前後は避け、月の中ごろに作業の時間を確保してください。あわせて、分からないことを聞ける窓口が導入先にあるかを、契約の前に確認しておきます。設定でつまずいて数日止まると、その月の締めに間に合わなくなります。

並走させるなら期間を区切る

不安なら、1つの締め期間だけ両方に打刻させる方法があります。集計結果を突き合わせれば、新しい側の設定が正しいかを確認できます。

ただし、従業員には二重の手間をかけることになります。いつまでなのか、なぜ必要なのかを先に説明してください。期限を切らずに始めると、どちらの打刻も雑になり、結局どちらの記録も信用できなくなります。

従業員への説明を先に済ませる

打刻の方法が変わることは、切り替え日の前に伝えてください。当日の朝に画面が変わっていると、その日の打刻はまとまって漏れます。漏れた打刻を後から埋める作業は、全員分となると相当な量になります。

給与計算とのつなぎ目を先に確認する

勤怠を替えると、給与計算に渡すデータの形が変わります。給与の側で取り込む形式が決まっているなら、新しい勤怠がその形式で出せるかを契約の前に確認してください。ここが合わないと、毎月の転記が手作業に戻ります。

確認の仕方は、実際のデータを一か月ぶん出してもらい、給与の側に取り込んでみることです。項目の名前が同じでも、中身の単位が違うことがあります。時間の表し方が小数か分かというだけで、集計は合わなくなります。

入れ替える理由をはっきりさせておく

いまのシステムへの不満を並べてみると、システムを替えても消えないものが混ざっていることがあります。打刻漏れが多い、申請が回ってこない、といった問題は運用の側にあることが多く、製品を替えても同じことが起きます。

不満を一つずつ「新しい製品にすれば消えるか」で仕分けしてください。消えないものが大半なら、入れ替えではなく運用の見直しが先です。入れ替えには準備と教育の手間がかかるので、それを払う理由が残っているかを確かめてから動いたほうが確実です。

切り替えたあと一か月は数字を手で確かめる

新しい側が出した集計は、最初の月だけ手で検算してください。数人分でかまいません。設定の取り違えは、月をまたぐ処理や割増の条件など、普段は目立たないところに出ます。

ここで見つかれば、直すのは一か月分です。半年経ってから見つかると、遡って全員分を直すことになり、給与の訂正まで必要になります。手間としては半日程度なので、必ず入れてください。

従業員から出る質問はだいたい同じ

切り替えの直後に来る質問は、会社が違っても似ています。打ち忘れたらどうするのか、間違えて打ったら直せるのか、休みの申請はどこから出すのか。この三つで大半を占めます。

先に答えを用意して、一枚の紙にまとめて配ってください。口頭で説明すると、聞いていない人に同じ説明を繰り返すことになります。紙があれば、担当者は「これを見てください」で済みます。作るのに時間はかかりません。

一次ソース(公式ページ)

制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。

よくある質問

前のシステムの打刻記録は移せますか

移せる範囲は製品によって違います。移せるかどうかにかかわらず、前のシステムから記録を書き出して自社に保存してください。労働時間の記録には保存が求められる期間があり、その責任は会社側にあります。

切り替えは月の途中でもできますか

できますが、その月の集計が2つのシステムに分かれます。締め日の翌日から新しいほうに切り替えるのが、集計を分けずに済む唯一の形です。

並走させたほうが安全ですか

1つの締め期間だけ並走させる方法はあります。ただし従業員に二重打刻をさせることになるので、期間を区切って理由を説明してください。ずるずる続けると、どちらも信用できない記録になります。