弥生会計 オンラインの後継へ切り替えるとき確認すること
弥生会計 オンラインは新規の受付を終えており、後継として弥生会計 Nextが案内されています。すでに使っている場合、あわてて動く必要はありませんが、準備なしに切り替えると過去のデータで困るのが典型的な失敗です。順番を整理します。
まず「いつまで使えるか」を確認する
新規の受付が終わることと、いま使っている契約が使えなくなることは別です。この2つを混同すると、必要のない時期に急いで切り替えることになります。自社の契約がいつまで有効かは、記事末尾の公式ページと、手元の契約書類で確認してください。ここは推測で動かないでください。
切り替える時期を決める
時期の判断は、機能の比較より先に済ませたほうが楽です。時期を外すと、どのソフトを選んでも作業が増えます。
先に手元に残すもの
移行ツールがあるかどうかにかかわらず、自社の帳簿は自社で保存するのが前提です。帳簿書類の保存義務は事業者にあり、ソフト会社が代わりに負ってくれるものではありません。サービスの契約が切れたあとで「見られなくなった」となると、取り返しがつきません。
書き出す形式について
画面で見られる状態と、手元のファイルとして持っている状態は違います。書き出したファイルは、実際に開いて中身が読めるかまで確認してください。開けないファイルを保存していても、保存したことにはなりません。
切り替えの作業を一日で終わらせようとしない
切り替えの当日にすべてを片付けようとすると、その日は記帳も本業も止まります。作業を三つに分けて、別の日に置いてください。
一つ目は事前の書き出しです。これは前の期のうちにできます。二つ目が契約と初期設定で、事業年度・消費税の扱い・部門の設定など、あとから直すと影響が広がるところです。三つ目が銀行やカードのつなぎ直しで、認証の手続きに時間がかかることがあるため、記帳を始める前に済ませておきます。
この順番を崩して、記帳を始めてから設定を直すと、それまでに入れた取引をすべて見直すことになります。設定の確認が終わるまでは、取引を入れないと決めておいてください。
切り替えたあと最初に見るところ
新しい側で最初に確認するのは、機能ではなく期首残高です。ここが前のソフトの期末と一致していれば、以降の記帳は積み上げていけます。一致していない状態で記帳を進めると、決算のときにすべてを遡ることになります。
残高が合ったら、次に取引先と勘定科目の一覧を見てください。自分で追加した科目は、移行で落ちても普段の画面では気づきません。決算のときに「あの科目がない」と気づくのがいちばん困る形です。
この機会に他社製品も見るべきか
切り替えが必要になったタイミングは、他社を検討する自然な機会ではあります。ただし、同じ会社の後継製品への移行は、他社への乗り換えより作業が少ないのが普通です。他社に移る合理的な理由がないなら、後継へ進むほうが手間は小さくなります。
他社を検討するなら、その判断は時期の判断とは分けてください。期首という締切に追われながら製品を選ぶと、比較が雑になります。
操作が変わることを織り込んでおく
同じ会社の後継製品でも、画面の作りや操作の流れは変わります。これまで手が覚えていた操作が通じなくなるので、最初の一か月は入力に時間がかかります。これは製品の出来が悪いのではなく、切り替えに必ず伴うものです。
だから、繁忙期や決算の直前にぶつけないでください。落ち着いている時期であれば、慣れるための時間を業務の中で吸収できます。切り替えの前に、よく使う操作を三つか四つだけ決めて、その手順を試しておくと立ち上がりが早くなります。
複数人で使っている場合は、誰か一人が先に触って手順を作ってから全員に広げてください。全員が同時に手探りで始めると、間違った操作が定着します。
解約する前にもう一度確認すること
新しい側で回るようになっても、すぐに前の契約を解約しないでください。決算を一度通してから解約するのが安全です。決算の作業では、普段は使わない画面や、過去の資料を見る場面が出てきます。そのときに前のソフトを見られるかどうかで、作業の重さが変わります。
並走する期間の費用は発生しますが、必要な資料を取り出せなくなったときの手戻りに比べれば小さいものです。解約の条件と、解約後にデータをどれだけの期間見られるかは、契約の内容によって違います。記事末尾の公式ページと契約の書類で確認してください。
この切り替えを整理の機会にする
長く使っていると、使っていない勘定科目や、もう取引のない相手先が残っています。切り替えは、それを持ち込まずに済む数少ない機会です。
ただし、整理と移行を同時にやると、何が原因で数字が合わないのかが分からなくなります。まず前のとおりに移し、残高が一致することを確認してから、使わないものを止めてください。順番を逆にすると、確認の作業が倍になります。
迷っている間にも期限は近づく
切り替えの判断を先延ばしにすると、選べる時期そのものが減ります。期首は年に一度しかなく、そこを逃すと次まで待つか、期の途中で無理に切り替えるかの二択になります。
やることは多くありません。契約がいつまで使えるかを確認し、次の期首を切り替え日と決め、その前の月に書き出しの作業を入れる。この三つを予定として置いてしまえば、あとは順に進むだけです。判断が重く感じるのは、全体を一度に考えようとするからで、日付を決めてしまえば残りは作業になります。
周りの人に確認しておくこと
会計ソフトを一人で使っているとは限りません。パートの人が入力している、家族が領収書を整理している、税理士事務所がデータを見ている。この人たちにも影響が出ます。
とくに、事務所が過去のデータを参照しているなら、切り替えの前に伝えてください。決算の作業中に前のソフトを見ようとして見られなくなっていた、という事態は避けられます。伝えるのは早いほどよく、切り替え日が決まった時点で十分です。
一次ソース(公式ページ)
制度・料金は改定されます。本記事は執筆時点の情報です。最新情報は必ず上記の公式ページでご確認ください。
よくある質問
いま使っているものはすぐ使えなくなりますか
新規の受付終了と、既存利用者の提供終了は別の話です。自社の契約がいつまで使えるかは、契約内容によって違います。公式ページと契約書類で確認してください。
過去の帳簿データはどうなりますか
切り替え前に、決算書と総勘定元帳を自社の手元に書き出して保存してください。移行の可否にかかわらず、これは必ずやっておく作業です。帳簿の保存義務は自社にあり、サービス側にはありません。
切り替えるならいつが良いですか
期首がもっとも作業が少なくて済みます。期の途中で切り替えると、同じ年度の記録が2つのソフトに分かれ、決算のときに突き合わせが必要になります。